音響制作会社ならではの視点で、声優キャスティングとゲーム向け整音について解説

音響制作会社に声優収録を依頼する際には、キャスティングから収録の進行管理まで、専門的な知識と対応力が求められます。特にゲームや、ナレーション、ラジオ番組、ポッドキャストといった音声コンテンツでは、キャラクターと声の相性が作品の完成度を大きく左右します。

こちらでは、音響制作会社が担う声優キャスティングのポイント、現場進行の工夫、整音テクニックについて解説します。

声優キャスティングのポイント

声優キャスティングのポイント

音声コンテンツにおいて、キャラクターの魅力を引き出す声優の演技は極めて重要な要素です。特にゲーム、ナレーションなどでは、キャラクターと声の一致感が没入感を大きく左右します。適切なキャスティングがなされなければ、どれだけ脚本や演出が優れていても、最終的な完成度には大きな差が出てしまいます。

音響制作会社がキャスティングを担当する際には、演技力や声質だけでなく、スケジュール管理、収録対応力、作品との親和性といった複数の観点から候補者を精査します。以下では、声優キャスティングにおける重要な視点を紹介します。

予算の決定

まずは、コンテンツ制作にかけられる予算について決めます。どの位の費用をかけられるのか不明な場合は、おおよそのキャストの人数と台詞の数を割り出します。キャストの人数と台詞数がわかると、おおよその見積もりを作ることができます。

キャラクター像と声質のマッチング

重視すべきは、キャラクターの個性に対して、声優の声質や演技スタイルが合っているかどうかです。クールな主人公、明るいヒロイン、威厳のあるボスキャラなど、演じる役によって必要な声の方向性はまったく異なります。音響制作会社では、事前にキャラクター設定や演出意図を共有いただき、そのうえで最適な候補をリストアップします。

演技力と表現の幅

次に重視されるのが、シーンに応じた演技力や表現の柔軟性です。感情の起伏が大きいセリフや、テンションの切り替えが求められる場面においては、表現力のある声優ほど音声演出の自由度が高まります。また、複数キャラクターを演じ分けられるスキルも評価ポイントのひとつです。

現実的なスケジュール調整

声優のスケジュール調整も重要な観点です。人気声優の場合は収録スケジュールが限られることも多く、作品の制作進行との兼ね合いが発生します。音響制作会社では、候補者の出演状況を事前に確認し、スムーズなスケジューリングを行います。

オーディションの実施と評価

必要に応じて、キャスティングオーディションを実施するケースもあります。演出家や監督、クライアント様と連携し、音響ディレクターが演技指導を行うことで、選考段階でも作品の方向性に即した判断が可能になります。

レコーディングで準備したいこと

レコーディングで準備したいこと

キャスティングが決定したあとは、円滑な収録を実現するための準備が必要です。声優が本来の演技力を発揮できるような環境を整えることは、音響制作会社の大切な役割です。収録当日に慌ただしくならないよう、事前に押さえておきたいポイントを紹介します。

収録スタジオの選定とブッキング

まずは収録スタジオの確保です。作品のジャンルや収録人数、求められる条件に応じて、最適なスタジオを選定する必要があります。防音性や録音機材の品質、アクセスの良さなども選定基準になります。

台本・キューシートの準備と共有

収録に必要な台本は、音響ディレクションの基盤となる重要資料です。セリフやナレーションだけでなく、シーンの演出意図やキャラクターの感情変化なども明記しておくことで、声優の演技の質が向上します。あわせて、音響スタッフ向けのキューシート(収録の進行表)も用意し、全員で情報を共有できる状態を整えます。また、台本は役者さんの下読みの期間なども考え、最低でも一週間前にはお渡し出来るようにしましょう。

演出意図の共有とリハーサル対応

演出の方向性や収録時のトーンについて、事前に声優と共有することも欠かせません。必要に応じてリハーサルや読み合わせを実施し、演技の擦り合わせを行うことで、収録本番での修正回数を減らし、制作効率を高めることができます。

現場でのディレクション体制の確認

収録当日は、音響ディレクターが中心となって進行しますが、演出家や監督、クライアント様との連携も重要です。意思疎通がスムーズに行えるよう、当日の役割分担や確認フローを事前に明確にしておくことが、混乱を防ぐポイントです。

音響制作会社は、演出と技術の橋渡し役として、現場全体の進行と演技のクオリティを両立させる責任を担っています。収録前の準備段階から丁寧に対応することで、声優の実力を最大限に引き出す収録が実現できます。

声優音声の魅力を最大限に引き出す整音テクニック

収録が完了した音声素材は、そのままでは使用できないケースが多くあります。声優の演技力を最大限に引き出すためには、収録後の整音作業が欠かせません。以下では、整音における基本的なテクニックと、制作の品質に直結する要点を解説します。

整音の目的

整音とは、収録された音声データの不要なノイズやバランスを調整し、最終的な作品として使用できるクオリティに仕上げる工程のことです。整音を行うことで、セリフが明瞭になり、リスナーに意図がしっかり伝わる音声になります。

ノイズ除去と音量調整の重要性

収録現場では、スタジオ内の微細な環境音や呼吸音など、さまざまなノイズが混入することがあります。整音では、これらの不要なノイズをカットし、音声のクリーンさを確保する作業を行います。また、声優ごとに発声の大きさやトーンが異なるため、シーンに応じた音量の均一化や抑揚のコントロールも重要です。

EQやコンプレッサーを活用した音質調整

整音では、EQ(イコライザー)を使って中域のこもりを除去したり、耳障りな高域を軽減したりすることで、より自然で聞きやすい音質に仕上げることができます。さらにコンプレッサーで音量のダイナミクスを調整し、滑らかな仕上がりを目指します。

シーンに合わせた空間処理と残響による演出

空間的な演出を加えるため、適切なリバーブ(残響)をかけることも整音において重要です。舞台が屋内か屋外か、または緊迫した状況か柔らかい雰囲気かといった、シーンの内容に応じて残響を調整することで、没入感のある音作りができます。ただし過度な処理はセリフの明瞭度を損なうため、適切なバランスが求められます。

整音は、作品の完成度を大きく左右する繊細な作業です。プロの整音技術によって、声優の演技力や収録音声の魅力が最大限に引き出され、リスナーにとって心地よい音体験が生まれます。

声優収録を成功させるなら、経験豊富な音響制作会社の活用を

声優のキャスティングからレコーディング、編集、仕上げに至るまで、音響制作には多くの専門知識と経験が求められます。

株式会社ブレインストームでは、ゲーム・映像作品、ラジオ番組やポッドキャストなど、あらゆるジャンルの音響制作に対応しており、声優キャスティングから一括してご依頼いただけます。シーンやキャラクターに最適な人選、現場の設計、収録から整音まで、作品の世界観を引き出す音づくりを得意としています。

声優収録や音響制作について具体的なご相談をご希望の方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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